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本日Houdini 17.5がリリースされました。
映像制作 VFX アーティスト、ゲーム開発者、あるいはCM 制作であれ、 Houdini 17.5は、過酷な制作要件を満たすための新しく高度なツールをもたらします。
Houdini 17.5 は、PDG (Procedural Dependency Graph) を筆頭に、多くの重要な機能を含む重要なリリースです。 PDG という新しいテクノロジは、間もなく出荷の Houdini 17.5 内での TOPs (Task OPs タスクオペレータ) という新しい Houdini 操作コンテキストとして、そして PilotPDG™ という名のスタンドアロンアプリケーションとして利用可能です。
PDG 以下のことを念頭に設計されています。
- 複雑な依存関係をノードによって視覚的に記述する
- その依存関係の記述を実行可能かつスケジュール可能なタスクのセットに変換する
- スケジューラを用いてこれらのタスクを分散し、並列演算する
これ以外にも Houdini 17.5では、さまざまな機能強化が行われています。これらについては、 17.5 What’s New Video および Launch Presentation Video をご覧ください。
17.5 What’s New Video
Launch Presentation Video
PDG
PROCEDURAL DEPENDENCY GRAPH
PDGは、タスク分散と依存関係管理のために設計されたプロシージャルアーキテクチャで、映像制作やゲーム・VR 開発などのコンテンツパイプラインの拡張、自動化、分析を可能にします。
PDG はこれらの依存関係を視覚的に記述するように設計され、ノードにより実行可能な一連のタスクが生成され、それらが同一マシン上の複数コア、または演算ファーム、さらにはクラウド上に分散させることが可能になります。PDG には生産性向上ためにストックノードが豊富に提供され、変更時の再計算を最小限に抑えるために依存関係をスマートに管理します。
TOPS | タスクオペレータの搭載
TOPs は Houdini に追加された PDG 技術で、 TOP ノードは Houdini のあらゆる部分とシームレスに統合できます。 これにより、 PDG の力を FX ワークフローにもたらしますが、それは FX だけに限定されません。 ゲーム開発やモーショングラフィックス、その他のワークフロー、また Houdini Engine などの技術と同様に、恩恵を受けます。
PDG 概要
VFX TOP ワークフロー
パイプラインツール | PDG 技術へのアクセス
Houdini とそのノードベースワークフローは、パイプライン機能一式とよく評されます。PDG を使用することで、これをさらに大型プロシージャルパイプラインに拡大できます。PDG により、タスクの整理とスケジュール、そして、それらを並列処理するように賢くに計算ファームに分散できます。
PDG は、Houdini 内の TOP ネットワーク内で動作させたり、または PilotPDG というスタンドアロンソフトウェアで、Houdini からの TOP グラフを処理したり、 Houdini をまったく含まない他のアプリケーションとの連携させることが出来ます。
MANAGE | Pipeline Dependencies
PDG によりパイプラインの大部分を記述が可能で、アセットの効率的なロード、処理、保存を確実にします。きめ細かい依存性の設定により、変更時による計算を最小限にすることが保証されます。TOP ノードは、さまざまな役割を果たすことができるように設計され、複雑なスタジオパイプラインを疲弊させる手作業やスクリプト処理を置き換えます。別のTOPネットワークを取得するTOPネットワークを設定し、一つのパイプライン内に複数レベルの抽象化を実現することも可能です。
パイプラインワークフロー
AUTOMATE | Iterations & Variations
PDG の重要なワークフローの一つに Wedge ノードを使ったワークフローがあり、一つのデザインに対し複数バリエーションの手早く作成、出力したコンタクトシートから最良のものを選択したり、シーンに配置するためのバリエーションを大量に用意したりすることが可能です。
Wedging
Prop Variation
ENHANCE | Houdini Workflows
Houdini アーティストは、TOP ネットワークにより既存ワークフローを強化、自身の仕事を次のレベルに高め、演算ファームによるジオメトリネットワークの並列処理やダイナミックシミュレーションが容易になります。
SOP Integration
Crowd FX
INTERACT | with Game Engines
ゲーム開発において Houdini Digital Asset は既に多用され、 Unity や UE4 などのゲームエンジン内で動作するようになっています。PDG を組み合わせると、視覚的なプロシージャルシステムの設定が可能になり、各アセットを他のアセットから独立したものとして扱うのではなく、さまざまなアセット間の関係を捉えることが可能になります。 レベルの一部に変更が加えられた際に、PDGは、どの地形タイル、植生、道路、そして建物アセットが影響を受けるかを把握、レベル全体を再計算することなく、影響を受ける部分だけが並行処理されるようにできます。
GameDev Workflow
MACHINE LEARNING | Data synthesis, Augmentation, and Hyper-parameter Space Search
機械学習には、大規模データセットによる試行錯誤、そしてそれらデータセットに対応した学習のための大規模演算処理が必須となります。PDGを使用すると、ディープラーニングシステムのトレーニング支援のための大量のデータ合成または増補や、MLモデルで複数のハイパーパラメーターを同時に試行が可能になります。
地形侵食
地形侵食
BUILD | Extensive PDG Toolsets
PDG には幅広い種類のノードが用意され、依存関係の管理、ファイルのロード、ダウンロード、圧縮、SQL、JSON、CSV または XML からのデータの入力、HQueue、Tractor または Deadline とのスケジュール調整、そして画像や Houdiniアセットの処理が可能です。
さらに Pythonを使用してカスタムソリューションの作成や独自 TOP ノードの作成が可能で、独自アプリケーションの統合も可能です。 この拡張性が PDG の大きな利点のひとつで、すべてのパイプラインアプリケーションに対する真のパートナーになることができるからです。
TOP Nodes
FLIP 流体
分散シミュレーション
より広大なシミュレーションをを簡単に作成できるように、狭帯域とホワイトウォータシミュレーションでも分散が可能になりました。
狭帯域
ホワイトウォータ
VELLUM
コンストレイン
VELLUM による作業時に、より多くのコントロールを可能にするために、頂点単位のコンストレインとファイバ・コンストレインが Houdini に追加されました。
頂点単位コンストレイン
頂点単位クロス
ファイバコンストレイン
ボリューム
GPU 加速
ボリュームがGPU 加速され、ビューポートで評価可能になったことで、炎、煙、雲などをレンダリングに送る前にクリエイティブな決定が簡単にできるようになりました。
モデリング
選択と計測
Houdini の一般的なモデリングツールにも新選択オプションなどの追加、そして Measure SOP が改良されました。
選択
MEASURE (計測)
インタラクティブ
RBD コンストレイン
破壊ショットの作成にはコンストレインの適切な設定が重要ですが、Houdini 17.5 ではこれが容易になり、インタラクティブに作成したり、設定を簡単に調製できるようになりました。
シェーダ同等性
Houdini の Principled シェーダに調整が施され、Mantra でのレンダリングや他のアプリケーションのビューポートでのマテリアル表示方法により密接に一致するようなりました。
MULTI-OUTPUTS
複数の出力のあるノードでは、2次出力から出力されるデータを正しく表示、評価するためのコントロールが追加されました。