本書の詳細
ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロも学んだ絵画の基本
現代のアトリエで行われている1年生用の教育カリキュラムを書籍で再現
アートの理解を深めたい方、これからアートを本格的に始めてみたい方に最適な入門書です。
古典絵画の巨匠たちも、はじめはドローイング(デッサン)の基本を学びました。彼らが学んだアトリエ(工房)で教えられたのは、工房の師が示す手本を通して、美感とは何かを経験から体得すること、自然をありのままに写し取るためのドローイングの技法です。そしてそこに自分なりの表現をどう加えていくかをそれぞれが模索していきました。
美術が学校で教えられるようになり、さらにはインターネットでさまざまな情報が得られるようになった現在、師から弟子へとアート技法が継承されるという伝統が途絶えてしまいました。本書は、当時のアトリエで伝えられていた伝統的な技法をもう一度見直すとともに、現代のエッセンスを加えた、新しいドローイングの指南書です。
アートの歴史、ドローイングに必要な要素、ドローイングを正確に仕上げるためのステップ、表現の土台としてのしっかりとしたドローイングを描くための留意点が、カリキュラムに沿って紹介されています。
古い手法を学ぶことこそが、斬新な表現手法や技法を生み出すという理念は「アトリエムーブメント」と呼ばれています。この動向は、現在世界中に広まっており、著者のジュリエット・アリスティデスはアトリエムーブメント、アトリエトレーニングの第一人者です。
数々の巨匠の名作に加えて、現役で活躍するアーティストの作品が多数掲載されており、美術鑑賞の手引きとしても楽しめる一冊です。
本書は、『CLASSICAL DRAWING ATELIER』(Watson-Guptill刊)の日本語版です。
目次
Part one: アトリエへようこそ
第1章:歴史的観点
- 21世紀のトレーニング
Part two: 伝統的理論
第2章:デザイン
- 自然と黄金比
第3章:ライン
- 2次元のダイナミクス
第4章:明度
- 白と黒の世界
第5章:フォルム
- 3つめの次元
Part three: 伝統的課題
第6章:模写
- 先人に学ぶ
第7章:石膏ドローイング
- 古典彫刻から学ぶ
第8章:人体ドローイング
- 表現手段としての人体
第9章:肖像
- 心の窓
Part four: 理論の実践
第10章:アトリエのトレーニング
- 有限の原理、無限の応用
- Lesson 1: 球を描く
- Lesson 2: 巨匠作品の模写
- Lesson 3: 石膏ドローイング
- Lesson 4: 人体のリダクティブドローイング
- Lesson 5: 肖像