本書の特徴
世界的ヒットゲームのコミュニティマネージャーから学ぶ
昨今のゲームプロジェクトは、ゲームのプレイヤーと積極的にコミュニケーションをとる「コミュニティマネジメント」が重要とされています。DiscordやXなどのオンラインスペースを活用して、ファン層を醸成し交流を促進してゲームへの注目を高め、ゲームがもたらす世界にプレイヤーを誘います。
では、コミュニティマネジメントという仕事は、具体的に何を準備して、どのように進めていけばよいのでしょうか? 本書の著者「Victoria Tran」(ヴィクトリア・トラン)は、世界的な社会現象となったゲーム『Among Us』を開発したInnerslothでコミュニケーションディレクターを担当しています。本書はその集大成となり、コミュニティ運営の理論に止まらず、成功に導くための具体的な実践手法を解説しています。
本書は二部構成です。前半では、基礎的な理論として「オンラインコミュニティの社会学」「コミュニティマネージャーの役割」「基本戦略と哲学」を解説しています。後半では、実践的な手法として「ゲームの発表」「ゲームの開発中」「ゲームの発売」「ゲームの発売後」というゲーム開発のライフサイクルに沿った4つのフェーズで具体的な戦略と活動を詳述しています。
具体的には、以下の内容が含まれています。
・Discord活用を中心としたゲームのコミュニティマネジメントの最新情報を指南
・個人でもできるコミュニティマネジメントの手法やアクションを多数紹介
・コミュニティが陥りがちな状況を打破するための方法を実例を交えて解説
インディーゲーム開発の現場の知見がふんだんに盛り込まれていますが、インディーに限らず幅広いゲームプロジェクトに活用できる書籍です。特に、ゲーム開発会社のマーケティング部門で働いている方が、コミュニティマネジメント担当に任命された際に最初に手に取る本として最適です。
日本で初めて刊行されるゲームコミュニティ運営に特化した書籍として、コミュニティが陥る危機的状況への対応から、いかにして意図的で持続可能なコミュニティ設計へと移行するかを学べる貴重な1冊となっています。
目次
まえがき
監訳者まえがき
インディーゲームのコミュニティマネジメント本を日本で出す意義
監修の方針
日本のインディーゲームによるDiscordサーバー例
はじめに
コミュニティ、マーケティング、広報、SNSの境界線は?
本書の考え方
より良いインターネットを目指して
本書の使い方
CHPTER 1:オンラインコミュニティとは
コミュニティとは
コミュニティはどのように形成されるか
オンラインコミュニティの台頭
コミュニケーションの変化
コミュニティの力
ゲームコミュニティの独自性
私のコミュニティ哲学
CHPTER 2:コミュニティマネージャーとは
「あなた」が大切です
コミュニティマネージャーの役割
あなたの得意分野
コミュニティマネージャーとしての成功
理想のコミュニティづくり
確立されたコミュニティへの参加
(もう一度!)「あなた」が大切です
CHPTER 3:コミュニティ戦略の基本
はじめに
基本要素
意図
戦略
コミュニティを理解する
コミュニティへの関わりの深さ
コミュニティのつながりのタイプ
動きと変化
成功の指標
コミュニティマネージャーとしてプロジェクトに参加する際にやるべきこと
ゲーム開発サイクルにコミュニティを組み入れることの価値
CHPTER 4:優しさに根差したコミュニティ構築
レジェンドをつくる
スタート地点
優しさの定義
優しさが重要な理由
優しさの責任
RENEWとは
RENEWモデルを使用する
Warmth(温かみ)
成功を測る
優しさの事業的な価値とは
CHPTER 5:プロジェクト初期にやること
位置について、よーい、ドン
概要
ゼロから始める
価値の創出
人物のタイプ
実践における成長と価値
ソーシャルメディア
成功を測る
期待値
ゲームへの機能実装
CHPTER 6:ゲーム開発中にやること
発売延期? まさか私のゲームで?
概要
ファネリング(別の空間への誘導)
ソーシャライゼーション
レジリエンス
モデレーター
コンフリクトマネジメント
批判者をアンバサダーに変える
グレーゾーン
CHPTER 7:ゲーム発売日の前後にやること
狂喜乱舞
概要
発売キャンペーン
成長
フィードバック
センチメント分析レポート
つながり
ソーシャルキャピタル
謝罪
CHPTER 8:ゲーム発売後にやること
終わり……かな?
概要
ゲームの持続可能性
コミュニティの離脱率
コミュニティの健全性指標
プレイヤーへのフィードバックアンケート
コミュニティインセンティブ
変更を伝える
「死んだ」コミュニティを再生させる
再生のための取り組み
「死んだゲーム」を再生させる
「有害な」コミュニティを浄化する
次の展開に備える
おわりに
読む暇がなかったみなさんへ
自分らしさ>統計
感謝を込めて