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書と文字の年鑑 2025

書、筆文字、カリグラフィー タイポグラフィー、フォント、ロゴ

編集:カラーズ

定価 3,700円(本体3,364円+税10%)
発行

発売

カラーズ有限会社

株式会社 ボーンデジタル

ISBN 978-4-86246-638-9
総ページ数 168ページ
サイズ B5正寸、オールカラー
発売日 2025年5月中旬

はじめに

本書を刊行しようと思った最初のきっかけは、2024年のある日、ふと1954年の映画「ゴジラ」のポスターイメージが頭をよぎったことです。
その時、怪獣ゴジラの姿より先に「ゴジラ」というタイトルロゴが思い浮かびました。極太の手書きのカタカナで「ゴジラ」と。
その思い浮かんだイメージを確認しようとネットで検索したら、確かにイメージ通りのポスターが表示されました。ポスターの左側に縦に大きくゴジラとあります。
このオリジナルゴジラの映画は私の生まれる前に上映されており、実際に自分が映画を観たのは大人になってからですが、多分物心ついた頃からこの「ゴジラ」の書体は脳内に保存されていたと思います(同様に映画「七人の侍」の
ポスターも、登場人物より先に書体が思い浮かびます)。

さて、この「ゴジラ」の書体、主に直線の箱型で組まれていて、赤文字に白の縁取りと、実にシンプルです。それなのにこの3文字には恐怖や破壊が内包されています。これこそ文字の力ではないでしょうか。
そんなことを頭の片隅に置きつつ、最近の印刷物を眺めていて、ほとんどの文字が脇役、ビジュアルの説明コピーに位置付けられていることに気付きました。
いや、とっくに気付いていたのですが、現在の印刷物とゴジラのポスターの差異を改めて認識したのです。

印刷物における文字は手書き、活字、写植、デジタルフォントと進化してきました。生産性の向上の陰で、失われていったもの。それは揺らぎとノイズではないでしょうか。
揺らぎとノイズは割り切れない。有機的であり感情的でもあります。それをデジタル時代に取り込むことはできないだろうか。そんな問題提起のみで本書をスタートしました。

さて、ステージはなんとかできました。ここから何が生まれるのかまったく分かりませんが、本書に作品をお寄せいただいた文字クリエイターの皆様のステージを、しっかり育てていきたいと思っています。

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