はじめに
●魅力について
仕事がうまくいかない、儲からない……まあ世の中それが当たり前なのかもしれませんが、うまくいかない理由には2つあると思っています。
1つは「ビジネス的な穴を塞ぐ」ことです。経費や原価がかかり過ぎ、安く売り過ぎ、プロモーションの不足などなど。これらはいずれもある程度解決できます。制作コストを見直し、マーケティングに最適化した効果的なプロモーションを行い、価値に見合った適正価格にしていく。品質が変わらなければ、これだけで利益は増えるのではないでしょうか。
もう1つは「魅力」があるかないか。
ちなみに魅力とは、辞書に「人の気持を引きつけて夢中にさせる力」とあります。そして、夢中とは「それに心を奪われ、ほかの事を考えない状態になること」とあります。
人々を「夢中」にさせることができれば、ビジネスはおそらく後からついてきます。では人々を夢中にさせる要素とは何でしょう? それは「独自性」「魂」「熱量」などではないでしょうか。
魅力や夢中は、クリエイティブに限らず、すべてのモノに当てはまります。例えば、街角のお店やネットで気になる商品を見つけたとき、その仕様などを調べ、店員さんやレビューなどで評判をリサーチし、購入を決定する。この一連の作業の時、人は「夢中」になっているのです。
昨今、生成AIによる成果物のクオリティが益々上がり、イラストなど、人が作ったものと見間違える場合も増えてきました。おそらく生成AI成果物は安価な「ビジネス・クリエイティブ」としてインフラ的に広がっていくような気がしています。ただそこに「魅力」があるかは疑問です。そういえば最近、オフィスでレゲェやジャズっぽいAI音楽をBGMにしています。作業中に聞き流すにはとても快適なのですが、その後何も残らないのです。現時点での生成AIは、破綻がなく没個性なところが欠点なのかもしれません。
魅力的なクリエイティブ。とても当たり前なことですが、作り手が忘れてはならないキーワードだと思います。
・最先端のクリエイティブを閲覧する資料として
・イラストレーター、デザイナーをお探しの企業の皆様のガイドブックとして
・学生などクリエイターを目指す方々の指標として
読者の皆様には、さまざまな視点で本書をご活用いただければ幸いです。
目次
Part1:イラスト編
Part2:デザイン編
Part3:Web/ムービー編
U30 Newcomer!:20代プロ3年未満の新人ページ
特集:MUSIC ! 2025