※本記事はRizomUVのWebサイトに記載された英語記事を許可いただいた上で日本語に翻訳しております。

はじめに

Rizom-Labでは、最近、クライアントである11 bit studiosの皆さんとお話しする機会がありました。彼らのアーティストたちがRizomUVをどのようにワークフローや日常業務に活用しているのかを知ることに大変興味がありました。

幸いにも、シニアプロデューサーのJacek Kunaさんがチームのアーティストたちに話を聞き、特に「Frostpunk: The Last Autumn DLC」の開発中にRizomUVを使用した際の感想や経験を集めてくれました。

以下は、11 bit studiosの皆さんがRizomUVを使用した際の体験談であり、この強力なツールセットがアーティストたちに必要な自由をもたらし、貴重な時間をどのように節約するのに役立ったかを紹介しています。

プロダクション

11 bit studiosの「Frostpunk: The Last Autumn DLC」は、基本ゲームの前日譚であり、プレイヤーを永遠の冬が訪れる前の時代に連れて行きます。このDLCは、緑豊かな世界、草、苔、雪のない木々や岩々に満ちている点で基本ゲームと大きく異なります。開発者にとってこのタスクはリスキーでした。なぜなら、Frostpunkを特徴づけてきた冬の気候から離れることを意味していたからです。

「簡単な分析を行った結果、RizomUVを使用することで、建物のUV作成だけでも3Dチーム全体で少なくとも2週間の作業時間を節約できることがわかりました。環境アセットの多くを考慮に入れずにこれだけの効果が得られたのです。この決定は非常に明白でした。」 – Jacek Kuna, シニアプロデューサー

我々は、この基本的な視覚的変化にもかかわらず、FrostpunkがFrostpunkのままであるか、正しい方向に進んでいるのか確信が持てませんでした。そこで、新しい環境を迅速に全体像として把握するため、チーム内の一部の3Dアーティストに既に知られていたRizomUVの使用を検討し始めました。簡単な分析の結果、RizomUVを使用することで、建物のUV作成だけでも3Dチーム全体で少なくとも2週間の作業時間を節約できることがわかりました。環境アセットの多くを考慮していないにもかかわらず、この結果が得られたため、この決定は非常に明白でした。

建物と建設現場

「最終的なアセットに追加や変更を行うコストが大幅に軽減されたことで、新たな芸術的自由が得られました。」 – Marcin Kus, シニア3Dアーティスト

RizomUVを使用することで、テクスチャリングパイプラインが非常に直感的になり、モデルのUV作成プロセスをほぼ省略することができました。これにより、他の作業に充てる時間が増えただけでなく、最終アセットに追加や変更を行うコストが大幅に削減され、新たな芸術的自由が得られました。通常、最終製品を改善するための変更を決定する際には、少なくとも1日か2日は現在のタスクから3Dアーティストを外す必要がありました。しかし、RizomUVを使用することで、その時間が数時間、場合によっては数分にまで短縮されました。

「UV作業に特化して作られた使いやすいコントロールとツールは素晴らしく便利でした。」 – Marcin Kus, シニア3Dアーティスト

Frostpunkの性質上、建物はあまり複雑ではなかったため、迅速にカットし、場合によっては（例えばドックの桟橋のように）同じ形状の部分を重ねることで、テクスチャスペースとメモリを節約することができました。これらの作業はRizomUVではほんの数回のボタン操作で自動的に行えます。より複雑なジオメトリで手作業でシームを作成する必要がある場合でも、このソフトウェアは非常に役立ちました。UV作業に特化して作られた使いやすいコントロールとツールは非常に役立ちます。

「UVをできるだけ大きなアイランドにまとめます。同じ素材のものはグループにまとめて、互いに近くなるように配置します。例えば、金属は金属同士、木材は木材同士というように。」 – Piotr Trzebiński, 3Dアーティスト

メッシュの作成が完了した後、RizomUVを使ってUVをできるだけ大きなアイランドにまとめます。同じ素材のものはグループにまとめ、互いに近くなるように配置します。例えば、金属は金属同士、木材は木材同士という具合です。

すべてがきれいにグループ化されたら、最も大きなグループから順にテクスチャ上の適切な場所に移動させます。まず大きなものから始め、次に小さなものへと進みます。時間が余った場合には、グループの一つを分解し、各アイランドの位置を手動で配置して、最大限の表面積を活用するようにします。

環境アセット

「私たちはモデルが単なるグレーボックスではなく、最初からシーンの特性を示すプロトタイプアセットであることを確認します。RizomUVはこのような作業に最適で、多くのUVマップを非常に迅速に配置し、すぐに望む効果を得ることができました。」 – Jan Buczny, リード3Dアーティスト

Frostpunkの各シナリオでは、環境が物語を伝えることを重視していました。特に「Frostpunk: The Last Autumn」ではそれが重要でした。なぜなら、このDLCは基本ゲームのシナリオ以前の物語を描く最大のDLCだったからです。アイスランドやフェロー諸島にインスパイアされた環境の雰囲気が、私たちの目の前で劇的に変化していきました。緑の丘は、以前のDLCで見られたポストアポカリプスの永久凍土へと変わり、生存のための闘いは、寒さから守るためのジェネレーター建設という時間との闘いに変わります。そして、人類に希望をもたらすのです。

「非常に重要な役割を果たしたのはRizomUVです。Frostpunk以来、私たちの会社で使用しています。これにより、テクスチャの伸びを最小限に抑え、モデルを明瞭に見せることができました。」 – Jan Buczny, リード3Dアーティスト

ワークフローに関して言えば、私たちは常にシーンのブロックアウトから始めます。他のスタジオとの主な違いは、私たちのモデルが単なるグレーボックスではなく、最初からシーンの特性を示すプロトタイプアセットであることを確認することです。RizomUVはこのようなタスクに最適で、多くのUVマップを非常に迅速にレイアウトし、望む効果を得ることができました。

場所の特性を示すために、スケールピースの別セットを用意しました。これは特に要求の高い作業でした。なぜなら、各オブジェクトには3つのマテリアル設定が用意され、時には3つの異なるテクスチャセットも必要だったからです。これにより、北の方にある雨に濡れた岬から永久凍土への移行が自然に見えるようにしました。RizomUVは非常に重要な役割を果たし、テクスチャの伸びを最小限に抑えることで、モデルの明瞭さを実現しました。

「アンラップアルゴリズムの品質は驚異的で、特に細かいディテールが多い非常に複雑なモデルで優れた効果を発揮します。作業のスピードアップに特に役立ったのは、インターフェースの明瞭さとホットキーの配置の良さでした。」 – Jan Buczny, リード3Dアーティスト

私たちのステージで岩や崖をまとめる役割を果たしたのは、雪のカバーモデルでした。

この巨大なモデルは、下にあるモデルを覆い、地形のテンプレートと一体化させました。RizomUVを使ってUVマップを展開し、このモデルの各部分を、近くから見える部分と遠くから見える部分に優先順位を付けて配置しました。

RizomUVは非常に便利で、アンラップアルゴリズムの品質は驚異的です。特に、細かいディテールが多い非常に複雑なモデルで優れた効果を発揮します。作業のスピード向上に特に役立ったのは、インターフェースの明瞭さとホットキーの配置の良さでした。

Jan Buczny, Lead 3D Artist

Marcin Kus, Senior 3D Artist

Piotr Trzebiński, Senior 3D Artist

Jacek Kuna, Senior Producer