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レベルデザインの教科書

〈ゲーム制作のための建築的アプローチ〉 ― An Architectural Approach to Level Design 2nd Edition 日本語版

著者:クリストファー・トッテン(Christopher W. Totten)

定価 7,700円(本体7,000円+税10%)
発行・発売 株式会社 ボーンデジタル
ISBN 978-4-86246-606-8
総ページ数 464ページ
サイズ B5正寸
発売日 2025年6月下旬

本書の特徴

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ゲームデザイナー 濱村 崇氏推薦!
「レベルデザインを言語化して、“なんとなく”から脱却できる空間設計の優れた教本!」
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プレイヤーの感情をコントロールする「空間設計」の原理を学ぶ!

大手スタジオからインディーゲーム、さらにはアカデミック分野まで、幅広い業界のプロフェッショナルたちによる寄稿セクションも収録。
さらに、各章末に新たに追加された演習セクションにより、本書で紹介されている図解化手法や設計原則などを、実際の授業の課題や自主的な練習セッションとして学ぶことができます。
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【本書の特徴】
ゲームデザインの持つ側面の中で、レベルデザインは空間設計に用いるツール、利用するゲームエンジンによって具体的な手法が異なり、さらにゲームジャンルによって中心となるメカニクスも異なるため、共通の方法論を導き出すのが困難とされてきました。

本書では、建築の原理をレベルデザインに応用し、ゲームのレベル(ゲーム空間)や環境制作のインスピレーションとして活用することを目的としています。ゲームのレベルは設計された空間であり、「視線誘導」「ライティング」「影や薄暗がり」「探索性」「方向性」「空間のリズム」「壮大な空間の演出」など、現実世界の建築が何千年にもわたって培ってきた人類の知見を応用することが可能です。

たとえば、ゲーム空間における「プレイヤーの没入感を妨げるさまざまな問題」に対しても、人の行動や感情を誘導する建築の原理が有効なヒントを与えてくれます。

また、名作と呼ばれる多くのゲームには、プレイヤーに気づかれない形で「遊び方(ゲームプレイ)」を自然に教え、導き、夢中にさせる工夫が凝らされています。本書では、それらの工夫を実際のゲームタイトルから抽出し、建築理論と融合させて解説することで、読者のゲーム開発に直接役立つ知識として提供します。

さらに、本書に登場するさまざまな歴史的建造物は、見た目の美しさだけでなく、空間の構成方法そのものから多くの学びを与えてくれます。特に、訪れる人々に強い体験をもたらすことを目的とした建築物には、ゲームプレイに通じる要素が数多く含まれています。これらの建築物と実際のゲームを比較・分析することで、

・空間レイアウトのスキル
・感情を喚起する空間演出のテクニック
・建築理論に基づくゲームレベル(ゲーム空間)の設計技術

といった知識と技術を身につけることができます。

優れた建築空間は、「ナラティブを語り、アクションを誘発し、交流を促進する」、つまり、言葉がなくても人の感情に働きかける力を持っています。また、ゲーム制作に用いるツールや技術は時代とともに変化しますが、「空間の原理」は普遍です。本書で紹介する内容はまさにそのような考え方であり、制作環境が変わっても通用する有用な指針となるでしょう。

【本書で主に学べること(まとめ)】
・現代のレベルデザインにおける手法・ツール・ワークフローのケーススタディ
・歴史的建造物の構造を通じて学ぶ優れたレベル設計
・人の行動や感覚に働きかける空間設計の原理
・空間を用いてプレイヤーの感情を喚起し、誘導する方法
・ストーリーテリング、アクション、交流を促す空間設計

【本書の対象読者】
全体としては、ゲームデザイン、レベルデザイン、あるいは建築に関心がある方にとって、本書は他では得られない、実践的かつ明確な視点からのレベルデザインのアプローチを提供します。その他、以下のような専門分野の方にもおすすめします。

・建築への理解を深め、その要素を自身の作品に取り入れたいと考えているレベルデザイナー
・作品を通してプレイヤーとのより良いコミュニケーションを模索する環境アーティスト
・レベルデザインを学んでいる学生と教師
・建築家

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本書は、2015年5月刊行の『ゲームデザイナーのための空間設計──歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』の改訂第2版であり、『An Architectural Approach to Level Design 2nd Edition』の日本語版です。
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【著者について】
クリストファー・トッテン(Christopher W. Totten)
ケント州立大学タスカラワス校のモデリング、アニメーション、ゲーム制作プログラムの准教授。ワシントンD.C.にあるアメリカ・カトリック大学にて、デジタルメディアを専門とした建築学の修士号を取得。さらに、Pie For Breakfast Studiosの創始者であり、いくつかのインディーゲームおよびシリアスゲームのプロジェクトに、アーティスト、アニメーター、レベルデザイナー、プロジェクトマネージャーとして携わる。
クリスは、自分らしい表現を大切にしながら作品づくりに取り組む新しい世代のゲームデザイナー形成を支援したいと考えており、学生や他の開発者とともに分野横断的な研究を進めることで、ゲームに対する固定観念を打ち破る試みに挑戦している。

【簡易目次】
※第1版から第2版にかけては、第8章、第11章を新規コンテンツとして追加している他、すべての章において、大小さまざまな内容の更新や加筆修正が加えられています。また、章末に演習を追加し(一部ない章もあります)、本書で紹介されている図解化手法や設計原則などを、実際の授業の課題や自主的な練習セッションに取り入れる方法を提案しています。
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Chapter 1 建造物からレベルデザインを学ぶ準備
Chapter 2 レベルデザイナーのためのドローイング
Chapter 3 レベルデザインのワークフロー
Chapter 4 基本的な空間配置とゲーム空間の種類
Chapter 5 環境アートを通じたコミュニケーション
Chapter 6 危険な建築物でエキサイティングなレベルを構築する
Chapter 7 報酬の空間でプレイヤーを誘い込む
Chapter 8 Level 1-1 チュートリアルレベル【新規コンテンツ】
Chapter 9 ゲーム空間におけるストーリーテリング
Chapter 10 可能性空間と世界の構築
Chapter 11 プロシージャル生成レベルでの制作【新規コンテンツ】
Chapter 12 プレイヤーの交流を生み出すレベルデザイン
Chapter 13 レベルデザインにおけるサウンド、ミュージック、リズム
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発売日以降に発見された「誤り」および「不十分な記述」を下記のとおり訂正し、お詫び申し上げます。
※該当箇所につきましては、重版時に修正を行います。また、電子版にて修正されている箇所もあります。
最終更新日時:2025年6月20日

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▼ <第1章>p.36「バーチャル風景 現代期(2000–2010)」>「4.」の2行目の記述に誤りがありました。
※こちらは原著の誤りも確認しております。

【誤】
『The Elder Scrolls IV: Oblivion』(1996

【正】
『The Elder Scrolls IV: Oblivion』(2006

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▼ <第2章>p.70「図2.45」下部のキャプション内の記述に誤りがありました。
※こちらは原著の誤りも確認しております。

【誤】
図2.45 図2.31のCAD のマップをレンダリングしたもの。~

【正】
図2.45 図2.42のCAD のマップをレンダリングしたもの。~

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▼ <第2章>p.74「図2.51」右側のキャプション内の記述に誤りがありました。
※こちらは原著の誤りも確認しております。

【誤】
図2.51 これは図2.39のモデルのクローズアップショットで、~

【正】
図2.51 これは図2.50のモデルのクローズアップショットで、~

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▼ <第7章>p.235~236「7-3-4 層状の壁」の4行目~6行目の記述に誤りがありました。【正】の文章に置き換えてお読みください。

【誤】
たとえば、報酬にたどり着くために3つの部屋を通り抜けなければならない場合、1番目の部屋ではチャレンジの単純な繰り返しでチャレンジがどのように機能するかを示し、2番目の部屋ではもう少し複雑にして、3番目の部屋は最も難しくします(図7.11)。

【正】
他の空間で起きていることをほのめかしつつ、「重ねられた層による遮断」という拒絶の概念を活用する効果的な手法の一つが、「層状の壁」です。

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▼ <第12章>p.391「12-3-1 スポーンポイントを使ってシェーピングする」の下から7行目の記述に不足がありました。ここで参照している「図12.2」は、デスマッチ用のマップとしては間違いではありませんが、「スポーンポイント」の表記がなく、説明として最適な例とは言えません。参照先の図としては、表紙に採用されている図2.31が最適と思われます。
※こちらは原著の不足も確認しております。

【誤】
(図12.2および本書内の同様の図を参照)。

【正】
(図2.31や図12.2のようなデスマッチ用の隣接関係図を参照)。

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目次

Chapter 1 建造物からレベルデザインを学ぶ準備
1-1 レベルデザインのルールを破る
1-2 体験の観点から見た建築の歴史
1-3 ゲーム空間の歴史
1-4 レベルデザインに活かせる空間の見方
1-5 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES ゲームの風景についての考察―ウムラン・アリ博士(Dr. Umran Ali)

Chapter 2 レベルデザイナーのためのドローイング
2-1 レベルデザインで目指すこと
2-2 非デジタルのレベルデザインテクニック
2-3 デジタルのレベルデザインツール
2-4 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES ツールと設計―ロビン・ヤン・ストーム(Robin-Yann Storm)

Chapter 3 レベルデザインのワークフロー
3-1 形態は機能に従う
3-2 レベルデザインのワークフロー
3-3 レベルデザインのスケジューリング
3-4 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES

Chapter 4 基本的な空間配置とゲーム空間の種類
4-1 建築的な空間配置
4-2 歴史的なゲーム空間構造
4-3 空間サイズのタイプ
4-4 分子構造図で考えるレベル空間
4-5 ハブ型の空間
4-6 サンドボックス型の空間
4-7 カメラに関する考察
4-8 建築物の一種としての敵
4-9 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES Alt.Ctrl.レベルデザイン―ジェリー・ベリッチ(Jerry Belich)

Chapter 5 環境アートを通じたコミュニケーション
5-1 ゲームレベルのティーチング理論
5-2 ゲームにおけるシンボルとビジュアルデザイン
5-3 建築物の形態とタイプ
5-4 記憶の宮殿内の情報の管理
5-5 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES インタビュー―グレッグ・グリムズビー(Greg Grimsby)

Chapter 6 危険な建築物でエキサイティングなレベルを構築する
6-1 生存本能とゲームの多様性
6-2 眺望と避難の空間デザイン
6-3 薄暗がり、影、曖昧さ
6-4 好ましい高所と嫌悪される高所
6-5 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES レベルデザインの共通語―カムデン・ベイヤー(Camden Bayer)

Chapter 7 報酬の空間でプレイヤーを誘い込む
7-1 報酬の目的
7-2 ゲーム空間における報酬のタイプ
7-3 拒絶によって報酬を刺激的なものにする
7-4 ゴールと報酬のスケジュール
7-5 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES

Chapter 8 Level 1–1チュートリアルレベル
8-1 最初のレベルの多くの機能
8-2 チュートリアル設計のためのビルディングブロック
8-3 プレイヤーのニーズを把握する
8-4 ゲーム内チュートリアルのプレイテスト
8-5 チュートリアルのアセットとメディア
8-6 広告の手法によるゲームプレイのティーチング
8-7 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES ケーススタディ:『Immune Defense』アプリの開発―メラニー・ステグマン博士(Melanie Stegman, Ph.D.)

Chapter 9 ゲーム空間におけるストーリーテリング
9-1 表現力豊かなデザイン
9-2 メカニクス vs モチーフ
9-3 ナラティブの空間
9-4 環境アートによるストーリーテリング
9-5 質感を表現する物質性と英雄の旅
9-6 ペーシングとナラティブの報酬
9-7 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES Haloシリーズのレベルにおける心理学的なキャラクター開発―ケリー・ダンラップ心理学博士(Kelli Dunlap, PsyD)

Chapter 10 可能性空間と世界の構築
10-1 没入感とプレイヤーの個性
10-2 建築の現象学とプレイ
10-3 創発的空間
10-4 箱庭の美学
10-5 日本庭園の設計とワールドビルディング
10-6 体験の選択を与える
10-7 劣化戦略的なデザイン
10-8 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES

Chapter 11 プロシージャル生成レベルでの制作
11-1 私が心配することをやめてPCGを愛するようになった経緯
11-2 パターン・ランゲージ
11-3 人の手による設計とプロシージャル生成を混ぜ合わせる
11-4 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES
INDUSTRY PERSPECTIVES インタビュー― クリス・プルエット(Chris Pruett)

Chapter 12 プレイヤーの交流を生み出すレベルデザイン
12-1 創発とソーシャルインタラクション
12-2 都市の創発から学ぶ
12-3 スポーンポイントとクエストハブの重要性
12-4 ゲームにおける家、本拠地、ホームタウン
12-5 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES

Chapter 13 レベルデザインにおけるサウンド、ミュージック、リズム
13-1 ゲームおよび建物におけるリズムの役割
13-2 環境サウンドによるレベルデザインの補完
13-3 サウンドデザインによるゲームプレイ体験の強化
13-4 まとめ
EXERCISES
ENDNOTES

おわりに
翻訳・監修者あとがき
索引

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