映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方

- 著者:グスタボ・メルカード(Gustavo Mercado)
- 定価:3,960円(本体3,600円+税10%)
- 翻訳:株式会社Bスプラウト
- ISBN:978-4-86246-213-8
- 総ページ数:200ページ
- サイズ:変形版(229 × 202 mm)
発売日:2013年08月下旬

※書店でお買い求めの際には、予め在庫をご確認ください。≫取扱い店舗
※PDF書籍に関しては書店販売を行っておりません。
アメリのオドレイ・トトゥのキュートさを印象付けているのは何?
ダイ・ハードのハンス(アラン・リックマン)が、あれほど憎らしく見える理由は?
映画には、定番となった表現の原則があり、それを覆した印象的なショットがあります。
映像によるストーリーテリングをショットという観点から解説した「Filmmaker’s Eye」は、75本を超える名画のショットを25のタイプ別に解説し、映像がどのようにしてストーリーを伝えるかを明らかにしています。この知識を応用することで、観客に届くストーリーテリングのための画面構成ができるようになります。
また、画面構成だけでなく、技術的な側面からの解説も加えられているため、ショット1つひとつに意味のある効果的な選択をし、その設計を映像として実現する基本知識が身につきます。
映画制作者であり、ニューヨーク市立大学で映画制作を教える教授でもある著者が、選りすぐりの名画からフルカラーの画像を使用して、以下の4つの観点から分析と解説を加えていきます:
- 定番ルール: 各ショットタイプについて、そのショットの定義と、定番の用途を紹介
- 実用例: 実際の作品を例にとり、ショットの各側面について、ショットを際立たせているもの、視覚上の原則、技術的な観点、映像制作テクニックをキャプションで解説
- 技術的側面: 狙ったショットを可能にするために必要な、機材、技法、考慮すべき変動要素
- ルールを破る: ルールを覆し、独創的な表現とスタイルを実現したショットの例
推薦の言葉
この美しい書籍は、映画のエクスペリエンスを創り出す基本ショットの裏側を明らかにしている。映画作りに興味のある人も、すでに映画制作を経験しているプロにも、経験を問わず、ビジュアルの地平を大きく広げてくれる書籍だ。
––– ブルース・ブロック
映画プロデューサー、「The Visual Story」著者、ビジュアルコンサルタント
参加作品:「ホリデイ」「恋愛適齢期」「スチュアート・リトル」ほか
本書は、「The Filmmaker’s Eye: Learning (and Breaking) the Rules of Cinematic Composition」の日本語訳です。
グスタボ・メルカード(Gustavo Mercado)
インデペンデントの映画制作者で、10年以上の間、映画およびHDムービーのプロデュース、脚本執筆、編集、監督、撮影に携わっています。ニューヨーク市立大学ハンター校のFilm & Media Studies Department(映像メディア学科)の教授として、編集、脚本、映画製作、映画撮影技術を教えています。
- 謝辞
- はじめに
- フレームを決める
- 構図の原則と技術面の概要
- イメージシステム
- Chapter 01 超クローズアップ
- Chapter 02 クローズアップ
- Chapter 03 ミディアムクローズアップ
- Chapter 04 ミディアムショット
- Chapter 05 ミディアムロングショット
- Chapter 06 ロングショット
- Chapter 07 超ロングショット
- Chapter 08 肩越しショット
- Chapter 09 エスタブリッシングショット
- Chapter 10 主観ショット
- Chapter 11 ツーショット
- Chapter 12 グループショット
- Chapter 13 ダッチアングルショット
- Chapter 14 象徴ショット
- Chapter 15 抽象ショット
- Chapter 16 マクロショット
- Chapter 17 ズームショット
- Chapter 18 パンショット
- Chapter 19 ティルトショット
- Chapter 20 ドリーショット
- Chapter 21 ドリーズームショット
- Chapter 22 トラッキングショット
- Chapter 23 ステディカムショット
- Chapter 24 クレーンショット
- Chapter 25 シークエンスショット
- 掲載映画作品リスト
※書店でお買い求めの際には、予め在庫をご確認ください。≫取扱い店舗
※PDF書籍に関しては書店販売を行っておりません。
正誤表 / ダウンロード
正誤表
本文内の誤りにつきまして、お詫びするとともに、下記のように訂正させていただきます。
2013年8月15日付、初版第1刷
Page IX
- 誤:「ゴッドファーザー」 フランシス・フォード・コッポラ監督 1978年
- 正:「ゴッドファーザー」 フランシス・フォード・コッポラ監督 1972年
2013年8月15日付、初版第1刷~7刷
Page 13
- 誤:絞り(アパーチャ)は、フィルムフレームやCCD センサー上に画像を焼きつけるために取り入れる光量を制御する、レンズ内の仕組みです。レンズをスピードで分類する際の基準として使われるのは、レンズの開放F 値、すなわち絞りを全開にしたときにレンズを通過する光量です。開放F 値が大きいレンズはハイスピードレンズ(高速レンズ、明るいレンズ)と呼ばれます。このようなレンズは少ない光量で画像を記録できます(たとえば、「f1.4」や「f1.8」といったレンズ)。開放F 値が小さいレンズ、たとえば「f2.8」以下のレンズは、ロースピードレンズ(暗いレンズ)と呼ばれ、画像を記録するには多くの光量が必要です。
- 正:絞り(アパーチャ)は、フィルムフレームやCCDセンサー上に画像を焼きつけるために取り入れる光量を制御する、レンズ内の仕組みです。レンズをスピード(速さ)で分類する際の基準となるのは、絞りを全開にしたときにレンズを通過する光の量です。レンズの「最も小さい」絞り値(開放F値)に設定すると、絞りの開きは最大になります。開放F値が小さいレンズはハイスピードレンズ(高速レンズ、明るいレンズ)と呼ばれます。このようなレンズは少ない光量で画像を記録できます(たとえば、「f1.4」や「f1.8」)。開放F値が大きいレンズ(「f2.8」以上のレンズ)は、ロースピードレンズ(暗いレンズ)と呼ばれ、画像を記録するには光の量が多く必要です。
Page 14
- 誤:ズームレンズと比べると最短撮影距離が短く、概して高速です(開放F値がズームレンズより大きい)。
- 正:ズームレンズと比べると最短撮影距離が短く、概して高速です(開放F値がズームレンズより小さい)。
Page 14
- 誤:ズームレンズの短所は、単焦点レンズよりも多数のエレメントが内蔵されているため、そのぶん暗いことです(ズームレンズの開放F 値は、単焦点レンズの開放F値より常に小さくなります)。
- 正:ズズームレンズの短所は、単焦点レンズよりも多数のエレメントが内蔵されていることが理由で、そのぶん暗いことです(ズームレンズの開放F値は、単焦点レンズの開放F値より常に大きい)。